2011年2月14日月曜日

電子図書館計画 復習とその後 1

 かつて日記で書いた内容の続きだったりします。

 昭和の時代から買いまくっていた成年向け同人誌蔵書が、2005年頃には1万冊近くに達していました。
 いくら薄い本とは言え、この物量を個人で所有するのはかなりの負担でした。
 常に6畳間が1部屋占有されたり、引っ越しの荷造りに半年くらいかかったり。
 特に前者。仮に本が無ければ2DKから1DKに部屋のグレードを下げられるわけで、両者の家賃差額が月2万円くらいとすると、同人誌所有コストは24万円/年ということになります。
 持ってるだけで年24万円って、どんな重税だよ、と。

 ちょうど当時、ScanSnapを始めとした個人向けADF付きスキャナが次々と発売されていたこともあり、今後は同人誌をスキャンし、ファイルとして所有しようと決断したのでした。

 オタクの性として、スキャンのため本を裁断すること、そして最終的に廃棄してしまうことには強烈な抵抗がありました。
 ですが、上記の負担に加え、紙媒体過密の状況だと本へのアクセスが面倒極まりなく、結局大半の本を読まなくなっていたのです。
 読めない本は持ってないのと同じだ、と割り切りました。

1. 初代環境

 ・機器構成
- スキャナ:PFU fi-4120C2
 この機種、当時のADFスキャナの中では高価な部類でした。
 ScanSnap普及機の2倍だか3倍だか、そんな価格だったと思います。
 それでも、貴重な本をできるだけオリジナルに近い形で保存したい一心で奮発しました。
- 裁断機:PLUS PK-513
 定番みたいだったので、あまり迷う余地無しで。

・実際の運用とポイント
 1. 本をPK-513で裁断して捌く。
 2. 1.をfi-4120C2にセットし、600dpiで取り込み。カラーページはカラーで、モノクロページはグレスケで。
 3. JTrimを使って、縦1200ドットに一括変換。
 4. 抜けページが無いか確認。ノンブルのある本はノンブルを頼りに、無い本はひたすら枚数を数える。

 2.の過程で、600dpiで取り込むのが重要です。
 どっちみち縮小するなら、最初からもっと低い解像度で取り込めばいいじゃん、と思われるかもしれません。
 確かにその方がスキャン時間が短くなります。
 しかし、コミックで低解像度スキャンすると、モワレが大量発生して目も当てられなくなります。
 高解像度で取り込んでPC上で縮小すれば、まずモワレは発生しません。

・良かった点
- 初めてのADFスキャナ使用ということで、自分の本が凄い勢いでデータ化されていくのはとても感動的でした。
 しかも、フラベ型スキャナを使うより圧倒的に楽。画質はフラベ型で設定を追い込んだものにかないませんが、実用上全く問題無い程度には仕上がります。

- 同人誌の表紙は比較的厚い紙が使われていますが、それらもスムーズにスキャンしてくれました。

・いまいちだった点
- 重送検知が無いので、ページ抜けを目検でチェックせねばなりません。
 同人誌はノンブルの無い本が多く、それが数千冊とあるので、チェックにかなりの体力と時間を取られました。かつ、所詮は手作業なので見落としもあったと思います。

- 消えない縦線が頻繁に発生しました。
 ADFスキャナの宿命として、ガラス面が汚れると取り込んだ画像に縦線が入ります。
 普通は表面についたゴミを清掃すれば縦線は解消されますが、このスキャナは機構内部にゴミが入り込んでしまうらしく、いくら清掃しても消えない縦線が出るようになりました。
 何度かPFUに修理・交換してもらいましたが、その度に事象が再発するため、とうとう返金対応によって幕引きすることになってしまいました。
 なお、当時はfi-5120Cが発売された直後くらいだったので、サポートに「5120Cなら内部にゴミ入らない?だったら5120C買い直すけど」と問い合わせたところ、明確な回答はもらえませんでした。もしかしたら、fi-5120Cも同様の問題を抱えているのかもしれません。

・総評
 高価格商品だったこともあり、性能は決して悪くありませんでした。
 しかし、縦線が消えないのはコミック取り込みには致命傷すぎます。

 なんか長くなったので、続きはまた今度。

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